45歳独身自営業の神待ち日記

約3ヶ月前、行きつけの飲み屋で知り合った20代後半の男性から耳寄りな情報を得た。
何でも、巷では「神待ち掲示板」というものが存在しているというのだ。最初は、その言葉の意味すら理解できずに、その場に居合わせた若者たちに笑われてしまったが、彼らの話から「神待ち掲示板」とは、何らかの理由でお金に詰まっている女性を神の如く援助(円助?)してくれる男性を探せる出会い系サイトに近い存在だということが分かった。

その場では、神待ちサイトの名前だけを聞いてお店を後にしたのだが、帰宅してからも何だか奥歯に物が挟まっているような気がして仕方がなかった。

私はネットで見つけた神待ち掲示板【家出少女とアポとるには】というサイトを噛り付くように隅から隅まで閲覧して、神待ちというものを把握した。

昔から好奇心旺盛で何事も自分でやってみなければ納得出来ない性格の私が、この神待ちサイトに登録し、掲示板に投稿するのにそれほど時間は掛からなかった。

半日もしない内に、たくさんのメールが届いた。それらは、「昨日、彼氏と喧嘩して部屋を追い出されてしまいました。良ければ、今晩お世話になれる方いませんか?もちろん、お礼はします」という20歳で無職の女から、 「今日、広島から家出してきちゃったよぉ~。今晩、泊めてくれないかなぁ?」という17歳の高校中退女まで、実に様々な女たちからの神待ちメールの数々だった。

そのような数ある神待ちメールの中で、中年オヤジの私にとって1通だけ出色のものがあった。「6か月前、10年以上勤めてきた会社がいきなり倒産してしまいました。今日まで失業保険で食い繋いできましたが、それも今月末には切れてしまいます。貯金も殆どなく、途方に暮れています。30過ぎのオバサンですが、こんな私でも良かったら、どうか助けてくれないでしょうか?」と記されたメールの内容に直感的に何かを感じてしまった私は、すかさず自分から写メ付メールを返信していた。

1時間も経たない内に、彼女から写メ付メールが送られてきた。大人しい清楚な雰囲気のする女性だった。先ずは直接会って詳しい事情を聞きたいという趣旨のメールを返信すると、即座に「いいですよ」という返信が届く。
「じゃ、S駅近くのスタバでどうですか?」
「30分ぐらいで行けますが・・・」
「私もそのくらいで行けますので」

逸る気持ちを抑えて、身支度を整え、急いで待ち合わせ場所のスタバへ地下鉄で向かった。
地下鉄の階段を駆け上がり、息せき切ってスタバに到着すると、写メ通りの上品そうな女性が窓際の席で行き交う人の群れをぼんやりと眺めていた。

一杯のコーヒーを飲み干す間、彼女の現況についてあれこれ尋ねてみた。失業保険の書類も見せてくれた。見ず知らずの男性にここまで正直にならなければならないほど彼女が追い詰められていることが直ぐに見て取れた。

「もし宜しければ、あなたの生活が落ち着くまで、私が援助してもいいですよ」

この一言で、私の部屋での彼女との共同生活が始まり、もう1ヶ月が過ぎようとしている。

27歳独身男性フリーターの神待ち日記

俺がこんなに神待ちにハマってしまったのは、2年ほど前、ある神待ちサイトでレナちゃんのせい。彼女の過ごした1週間の夢のような
生活が今でも忘れられません。
レナちゃんは一人で自由に東京の旅行がしたかったらしいです。でも親がうるさいので、なかなかできなかったのですが、短大への進学もきまった
タイミングで東京に引っ越した友達に泊めてもらうということで東京にでてきていました。
でも、当然それは作り話で友達なんていないから神待ち掲示板でヘルプの書き込みをしていたらしいです。
そこで偶然俺と知り合ったというわけです。
実際会ってみると思ったよりかなりカワイイ。もう舞い上がって一生懸命しゃべったけど何をしゃべったかは覚えていないです。
ご飯を一緒に食べて(もちろん俺のおごりです)、俺の部屋に泊めてあげました。
当然こっちはその気まんまんだし、お礼は体で払うってくれるって思ってたんで、早速その夜行為に及ぼうとしたんですが、
泣きそうな顔でごめんなさいって言うんで、話を聞いたら元彼と別れたばかりでそういう気にならないって謝りました。
それもありかなって無理強いはしませんでした。でも逆にそんな純情な彼女のことがいっぺんに気に入りました。
翌日からは俺のバイトが休みのときは東京を案内して楽しく過ごしました。ある日バイトから帰ってくると
彼女はいなくてありがとうの置き手紙だけが残されていました。手を出せなかったけどかえってそれが彼女を忘れられないのだと
思います。彼女にもう一度会いたくて神待ちにハマったままの俺です。